幸せについて本気出して考えてみたブログ

生きてるだけでまるもうけ

コンテンツ産業について考えていきたい

仕事とは別に、何かを体系的に学びたいなと思っていたのだけど、とりあえずエ

ンタテインメント産業の現在ってものをマメに追っていきたい。

 

ということで、色んなとこで見聞きした内容の備忘録として、今の自分の考えというか、目を配っておきたいものをまとめておくことにする。

  

・日本語圏の消費者の少なさ

・クールジャパン戦略

・政府による報告書

・アーカイブ化

・データ量が増える

・グッズ販売と聖地巡礼

ソーシャルメディアとコンテンツ

少子高齢化について

・制作コストについて

・音楽について 

・ゲームについて

・アニメについて

 ・映画について

・漫画について

・テレビについて

 

以下詳細。

 

 

・日本語圏の消費者の少なさ

 

日本のコンテンツビジネスについて考える場合、まず海外の成功例をそのまま

持ってこようとすることがあるけど、それは端的に日本語圏と英語圏のパイの大

きさが違いすぎるので難し。これは大前提。

英語圏のものづくりでは、ほぼ全世界の消費者に向けてコンテンツがつくれる。

だから、なるべく最大多数が「おもしろい」と感じるものをつくろうとする。た

とえばハリウッド的な「必ずヒットする法則」に基づく最強チームによるものづ

くりスタイルが最たる例だろう。一方で、規模の小さいニッチなWebメディアな

んかでも、制作側が少数の割にインターネットで配信すれば全英語圏の消費者が

ターゲットになるから、なんとか食っていける。「細々と運営する」の規模がそ

もそも日本と英語圏では違うのだ。たとえば基本無料の記事で間口を広げて、

もっと読まれたければ課金させるとかいう戦略も、読者の母数が多ければ成り立

つだろう。

音楽も、日本で英語歌詞書いて海外で勝負するバンドって少ない。ヨーロッパの

バンドとかは(たとえばフランスのTahiti80とか、まぁなんでもいいけど)、最初

からビルボードで勝負しようとか考えてる。Jポップは日本語で歌い日本で消費

されるけど、Kポップはアジアにどんどん進出しているし、日本では日本語で歌

う。その辺の努力というか戦略が日本にはない。

日本の消費者向けのみではコンテンツビジネスが立ちゆかなくなったときどうす

るか、考えなくちゃいけない。

 

 

・クールジャパン戦略

 

資源もなく人件費も高い日本が海外と勝負できるのは、いわゆる「kawaii」的な

グローバルな文脈を持つカルチャーやアニメ・漫画などの第3次産業なんだろう

けど、政府のクールジャパン戦略がイマイチはっきりしない。政府が音頭を取っ

た場合、どうしても著作権とか法律的な問題に対して厳しいから、海賊版取り締

まろうという話になって「損して得取れ」みたいな発想にはならない。

でも本当に日本のアニメはすごいと思う。僕たちはほとんど「ディズニー」か

ピクサー」のアニメしか見ないのに、向こうでは「ジブリ」だけじゃなくて

NARUTO」とか「ドラゴンボール」を見ているわけだから。これは間違いなく強

みだ。

とりあえず、日本の外交的なイメージ戦略という話と(クールジャパンという名

前からわかるように)、実利的なコンテンツビジネスの話がごっちゃになってい

て上滑りしている感じがするので、これらは分けて考えるべきだと思う。

 

 

・政府による報告書

 

クールジャパン戦略はよくわからないけど、政府が公表しているコンテンツビジ

ネスに関する報告書は読んでおくべき。今年4月に「知的財産戦略本部 音楽産

業の国際展開に関するタスクフォース」が発表した「我が国の音楽産業の国際展

開に向けて」という報告書があって、論旨はともかく取り上げるデータは充実し

ているし、政府がどういう現状認識なのかがわかって面白い。もちろんクール

ジャパン関係の政府文書もあるし、要チェック。

 

 

・アーカイブ化

 

僕たちは昔のコンテンツに容易にアクセスできる時代に生きていて、新しいコン

テンツの競合が過去の名作になっている。それにビッグネーム不在の時代が叫ば

れている。宮︱戮楼退するし、「笑っていいとも」もなくなった。青空文庫

過去の名作が無料で読めるのに、わざわざ新刊を買うだろうか。僕自身、最近の

音楽シーンを追いかけなくなって過去の音源ばかり聴いている。一方で、アーカ

イブ化しているコンテンツを再販する動きも出ていて、例えば芥川龍之介の小説

の表紙を小畑健が描いたりとかしていたと思う。過去の遺物で食っていくみたい

な感じでなんとも言えないけど。

 

 

・データ量が増える

 

どちらかというとコンテンツそのものに関する内容で、これは文化系トークラジ

オLifeで言われていたことだけど、技術が進むにつれてどんどん扱えるデータ量

が増えて、「ハイレゾ」とか「VR」とか「4Kテレビ」みたいな新しいコンテンツ

の形態が出始めてきている。キーワードは「リアル」だろうか。確かに、より

「リアル」なものが求められてきているという気はする。テクノロジーが低廉化

する前にこれらが流行ると、ハイレゾ音源みたいに「高級志向化」とも言われた

りする。2015年はVRが一般消費者になんらかの形で普及する年になりそう。後で

述べるけど、ゲーム産業は一気に変わりそう。

 

 

 

・グッズ販売と聖地巡礼

 

コンテンツそのものは、限りなく無料に近づいていくだろうと思う。そこで、コ

ンテンツそのものより、音楽だったらそれに付随するライブだったりグッズ販売

だったり、アニメだったら行政とタイアップして聖地巡礼の観光ビジネスだった

りと結びつく。この辺はよく言われていることだが、聖地巡礼では成功モデルが

いまだ確立しているとは言いがたい。これらの成功モデルをつくろうと研究して

いる人は僕の知る限り結構いるので、頑張って欲しい。

 

 

ソーシャルメディアとコンテンツ

 

インターネットやSNSが普及して、無名のアーティストがネット口コミから火が

ついて大ブレイク!みたいなシンデレラストーリーも起きうると思われているけ

ど、実際にはそんなこと滅多にない。もちろん、あることはあるけど。

ソーシャルメディア論では、実社会の力関係とか認知度がそのままソーシャルメ

ディアにも適用されるっていうのが最近の通説で、例えばFacebookで購読数の米

国トップは確かオバマだし、日本では安部首相なわけだ。無名YouTuberのPV数と

かを見ると泣きたくなる。そういう意味では、今後も大手レーベルや制作会社の

持つ人材は強みと言えるだろう。

 

 

少子高齢化について

 

長い目で見て日本の人口が減っていくとますます日本向けコンテンツビジネスが

危うくなっていくわけだけど、直近で起きるのは全体の人口よりもメインの消費

者たる若者の減少だ。高齢者向けコンテンツも充実してきている(最近介護系AV

が売れてるらしい)みたいだけど。2014年はマイルドヤンキー消費が話題になっ

たけど、人口数や年齢構成とか、色々変わっていくなかでどうエンタメ産業の

マーケティングしていくかは重要。

 

 

・制作コストについて

 

クリエイターの努力は等しく賞賛すべきものだけど、コンテンツはジャンルごと

に製作コストに違いがあると思う。

比較的製作コストが低いのは音楽と漫画・小説で、有象無象のバンドが日夜ライ

ブハウスで活動しているし、コミケも参入障壁はそんなに高くないだろう。

こういうコンテンツは島宇宙化するので、一部のニッチなユーザーが多少お金を

落とせば、本業とともに細々とやっていける可能性がある。

一方でアニメーションやゲーム製作はかなり特殊なスキルと膨大な作業時間がか

かると思う。新海誠さんみたいな天才努力型は別として、なかなか1人で長編ア

ニメ作りましょうって人はいないだろう。

こういう業界は、若手育成のために政府や企業が積極的にエンパワーメントして

やる必要があると思う。

2014年面白かったのは、「DMM.make AKIBA」というものづくりスタートアップが

秋葉原にできたこと。エンタメ産業とは若干異なるけど、アイデアはあるけど金

や仲間がいないというクリエイターのためにツールのシェアや創発の仕組みがあ

るといいよね。

 

 

・音楽について

 

冒頭でもちょこっと触れたけど、基本的に日本の音楽そのものは海外で評価され

ないと考えたほうがいい。きゃりーぱみゅぱみゅは音楽性というより「クール

ジャパン」という文脈で海外から評価されているわけで。Jポップ界自体は結構

面白いし、一流のクリエイターたちが集まっている業界だと思う。ただしやはり

ビッグネーム不在という感じがして、アイドル論とかダンス論とか過剰な文脈を

読み込む消費者が島宇宙化している気がする。バンド業界もそう。紅白の目玉が

中森明菜サザンオールスターズっていま平成何年だよと思うけど、サザンくら

いしかビッグネームがないのかもしれない。

2014年はとにかくアナ雪の「Let it go」とファレル・ウィリアムスの「Happy」

がワールド・アンセムだった。この2つが面白いのは、レリゴーは歌詞が、Happy

はダンスが、世界的にローカライズされて楽しまれていたということ。「世界中

誰もが歌える・踊れる」という普遍性がある。もちろんそれらはYouTubeと相性

がよくて、やっぱり「シェアされる」という文脈をつくってやるのは大事で、コ

ンテンツそのものがある種コミュニケーションツールになるという。日本ではそ

れが「恋チュン」だったわけだ。いずれにせよ、「ローカライズする」というの

は結構キーワードになるかもしれない。

国内の流通では、とりあえずSpotifyとかの定額聴き放題モデルの日本参入が決

まった時にどうなるかがメルクマールになるか。

 

 

・ゲームについて

 

最近自分自身よくやってるのがゲーム。SteamでPCゲーを買うようになってか

ら、コンシューマ機のゲームの値段の高さに戻れなくなりそう。

ゲームについては任天堂ソニーをはじめ日本の強みでもあったんだけど、先述

のデータ量が増えてきたことと相まって、リアルゲームのクオリティがどんどん

あがっているため、任天堂的なかわいらしいゲームから洋ゲー的なFPSが主流に

なってきていると思う。

ただ、ゲームには可能性があって、Oculus RiftとかVRガジェットを使ったイ

マーシブゲームは、ここ5年くらいで一気に実用化しそう。それに、Kinectは医療分野で利用されつつあるし、色々な市場があるのもおもしろい。また、特にSteamではインディーゲームの世界が大変ディープで、入国審査だけを延々とやるゲームとかあって、

それが結構売れているからすごい。

こういうディープな世界は、むしろ日本的なコンテンツがウケるのではないか。

インディーゲームシーンもそろそろ盛り上がってくるそうなので、楽しみにしたい。

 

 

・アニメについて

 

アニメはあまり見ないんだけど、世界的には3DCGアニメが主流なのに、日本では

いまだ2Dがメインってのが面白い。いわゆるテレビアニメがどうなるかは全然わ

からないし、まぁずっとこのまま身体の筋肉まで丁寧に描きこむマニア向けのクオリティの高いものをつくっていくんだろうけど、やはり気になるのはポスト宮崎駿問題。ウォルト・ディズニーが死んでもディズニー自体は続いたのにジブリは一代限りで終わりなのだろうか。三鷹の森美術館はどうするのか。ドワンゴの川上さんはどう動くのか。

とにかく国際的な映画祭で評価されるアニメーションていうのは、日本からはなくなっていくのかもしれない。

あと妖怪ウォッチの売り方は凄まじい。ジバニャンが食べてるチョコバーも商品

化しているらしい。ゲームとアニメとグッズがバカ売れしてるし、妖怪という

ジャンルそのものが老若男女に受けているし、主題歌は誰もが踊れる。ポケモ

ン的な売り方プラスアルファで、まぁ国民的なコンテンツになるなという。

 

 

・映画について

 

映画についてはよくわからない。がしかし、個人的な話をすると、もう2時間映

画を見続けるというのは相当面白くないと苦行に近いという感覚になって生きて

いる。映画体験が変化していて、例えば電車の行きにスマホタブレットで1時

間見て、帰りに続きの1時間を見る、みたいなこともある。可処分時間の2時間を

奪うコンテンツというのは、相当な強度が必要だなと思う。

映画こそアーカイブとの戦いがあるだろうな。Huluとか。

 

 

・漫画について

 

漫画はとにかくコルクの佐渡島さんがやってるWeb漫画が市民権を得るかどうか

が気になる。コルクの取り組みは面白くて、投資を扱った漫画に投資を募ったり

していて、新しいビジネスモデルをつくっている。売り方って色々考えられる

なぁと思う。

ああいう天才編集者が仕組みを変えてくれるといいな。

 

 

・テレビについて

今年はテレビがおもしろかったらしい。僕はほとんど見ないけど、テレビ東京

番組づくりについて雑誌で特集が組まれていたりする。「笑っていいとも」終了

でフジテレビ全盛時代が終わりを告げ、テレ東が新たな時代をつくるのか、それ

ともテレビ全体が衰退するのか。

テレビしか、国民全体が熱狂するようなブームっていうのが起きない。あまちゃ

んとか、半沢直樹とか。だからテレビには頑張ってほしいものだ。

 

 

 

つらつら適当に書いてきたけど、とりあえず備忘録として。

 

by nuoo